ハリウッドに舞い降りたその瞬間から、大女優として、ときにファッションアイコンとして、多くの人々を魅了し続けてきたオードリーヘップバーン(Audrey Hepburn)。オードリーが晩年を過ごしたスイスの町には、今も彼女の面影が随所に残されていました。
・いくつもの国を渡りスイスで永遠の眠りに
『ローマの休日』『ティファニーで朝食を』『マイ・フェア・レディ』など、オードリーが生涯において出演した映画作品は全27本。またアカデミー賞をはじめ、グラミー賞、エミー賞、トニー賞など数々の受賞経歴をもつ、稀有な表現者です。
もともとベルギーの首都ブリュッセルで生まれたオードリーは、幼少期をイングランドとオランダで過ごし、バレーを学ぶために渡英したのちに、女優として世界へ羽ばたきました。そして晩年、ユニセフ親善大使として活動した頃に暮らした地が、スイスのモルジュ(Morges)近郊にある小さな町です。
・気品ただよう湖畔の町
国際空港もあるジュネーブ(Geneve)から直通列車で35〜40分。レマン湖沿いを走り抜けたら、モルジュに到着します。駅に降り立つと辺りはとっても静か。本当にあの世界的女優が選んだ町なのかな、と一番に思ってしまったほど、鉄道駅のホームは素朴な印象です。
しかし町の中心である湖周辺へ向かう道中、そんな第一印象もどこかへ消えてしまいました。中世の趣を残した町並みに、そこかしこに飾られた花がいろどりをそえ、町にはどこか優美な雰囲気すら漂っています。
・2度目の結婚式を開いた式場へ
生涯で結婚を3度経験したオードリー。1969年(当時40歳)にふみきった2度目の結婚のお相手は、クルーズの旅の途中に出会ったイタリア人精神科医のアンドレア氏でした。
アンドレア氏と挙式したのが、モルジュ一番の目抜き通りグラン・リュGrand Rueにある「l’Hôtel de Ville(市役所)」。石畳にそびえるれんが造りの風格ある建物の出窓にも、花が飾られています。ここでの挙式については、オードリーが身にまとった華やかなピンク色のミニドレス姿が、たいへん話題を呼びました。
l’Hôtel de Ville
開館:8:00~11:30、14:00~16:00(館内見学可)
休日: 土日
・いろんな表情にうっとり。ファンにはたまらないスポット
また市役所から湖へ歩いて5分足らずで到着する「Expo Fondation Bolle(ボル財団)」は、2014年に開かれたオードリーづくしのミュージアム。2階建ての小さな造りですが、写真や絵、アートパネル、衣装、アクセサリーなどの展示をとおしてさまざまなオードリーに出会えます。おみやげにぴったりなショップも1階に併設しています。
時が経っても色あせない、オードリーヘップバーンの魅力。モルジュへ訪れたら、その存在をちょっぴり身近に感じられるかもしれません。
Expo Fondation Bolle
開館: 14:00~17:00
休日: 月火
料金: 無料
もっと詳しく読む: オードリーにいつでも会える / ハリウッド女優が一番最後に住んだスイスへ(Photrip フォトリップ) https://photrip-guide.com/2016/10/25/audrey-swiss/