インド・デリーにあるニザームッディーン廟は、インドでも最大規模の聖者廟です。この聖者廟では、中世インドで活躍したスーフィー聖者、ニザームッディーン・アウリヤーが祀られています。
スーフィー聖者とは、スーフィズム(イスラーム神秘主義)の修行者(スーフィー)のうち、特に偉大な指導者として人々の信仰を集めた修行者のことを指します。本来のイスラームの教えでは、信仰の対象は唯一の神であるアッラーのみですが、スーフィズムにおいては、偉大な指導者は次第に聖者として崇拝されるようになり、聖者となったスーフィーの墓は聖地として巡礼の対象になりました。
地図では入り口が分かりづらいですが、参道の入り口は敷地の東側の大通りに面しています。参道内へ立ち入ると、イスラーム帽を被った男性やベールを纏った女性が多く見られます。看板や建物の表示言語もヒンディー語からウルドゥー語に変わり、周囲の雰囲気もガラッと変わります。
参道を進んでいくと、道沿いに多くの土産物屋や食べ物屋台が並んでいます。土産物屋では、ショール、帽子、お祈りグッズ、香水、アクセサリーなど、様々なものが売られています。
男性がかぶるイスラーム帽は、意外とさまざまなデザインがあってオシャレです。数珠はお祈りの道具で、祈りを唱えながらビーズをひとつひとつ数えます。
直接地面につく靴は不浄なものとされ、ニザームッディーン廟へは持ち込みが禁止されています。廟の入り口に預かり屋があるので、ここで靴を脱ぎます。
廟内は多くの参拝客で賑わっています。カッワーリー(宗教歌)を演奏する人たちもおり、とても賑やかです。
参道や廟内では、参拝の際に奉納する花などの贈り物が売られています。真紅の花びらがとても奇麗ですね。
煙がもくもくと立ち昇っている香炉には、持ち込んだ線香を奉納する人もいます。
廟の真ん中にあるのが、聖者ニザームッディーンの墓です。男性は中央の入り口から墓内へ立ち入ります。
ニザームッディーンはその生涯を宗教に捧げて独身を貫いたとされており、そうした彼への配慮から女性はダルガー内に立ち入ることはできません。
そのため、女性の参詣者は裏側の壁から祈りを捧げます。
参道には様々な土産物屋や食べ物屋台が並んでおり、参拝だけでなく純粋な余暇として廟を訪れる人も多いようです。
異教徒も歓迎してくれるので、デリーでディープな観光地をお探しの方はぜひニザームッディーン廟を訪れてみてください。
ニザームッディーン廟(Darga Hazrat Nizamuddin)
時間: 24時間
休日: 無休
料金: 無料
道順: ニューデリー駅から車で約20分 / デリーメトロ バイオレットライン Jawaharlal Nehru Stadium駅
URL: http://nizamuddinaulia.org/
もっと詳しく読む: 聖者の墓・ニザームッディーン廟を参拝する(Photrip フォトリップ) https://photrip-guide.com/2019/03/11/nizamuddin-dargah/