サウジアラビアの中心部、首都リヤドから少し離れた北西部にあるハーイルというこの人口120万人ほどの街でこの3月「大和」の名を冠するスペシャリティコーヒーショップがオープンしました。
日本でもサードウェイブと呼ばれるようなスペシャリティコーヒーのお店が増えて浸透しておりますが、中近東も例外ではありません。日本の京都発のスペシャリティコーヒーで有名なアラビカも有名なドバイモールだけでなくクウェートやカタールに進出しています。
その中でアラブ地域の中でも自分のオリジナルブランド、スペシャリティコーヒーのブランドを確立しようとする動きも出てきました。今回この大和カフェをオープンしたハーリド氏にお話を聞いてみました。
・大和カフェのオーナー一族
大和カフェの始まりはオーナーのハーリド・ビン・ファハド アルマシャリーが5年ほど前に大学の建築学のクラスにハーリド・ビン・ファハド アルアクルというファミリーネーム以外は同名のクラスメイトが仲良くなり親友になったところがスタートになります。
2人はほとんど同じ名前であることから家族ぐるみで付き合うようになり双方の兄弟も含めて一緒に遊ぶようになりました。
この2人のハーリドとその兄弟たちの共通点に「日本好き」がありました。みんなで集まると、いつも日本についての話題で盛り上がり、各人が日本に関してそれぞれ食、アニメ、生活、文化など異なる分野で興味を持っておりそれぞれの話題でいつも盛り上がっていました。
その中で兄弟の1人が歴史好きであり、よく日本の戦艦の歴史について話すことが多く、特に日本の戦艦の中で特別とも言える戦艦「大和」について、そしてその「大和」が作られてから沈むまでのストーリーについてよく語り合っていました。
アルマシャリーの一族でコーヒーショップを作ろう、という話が出た時、店の名前をどうするか、と悩んだ時にかつて皆で話した「大和」のストーリーは彼らの事業に対して強いインスピレーションを与えました。日本に対する愛と興味とコーヒーショップ事業が成功するように、という想いを融合させ不沈の覚悟と合わせた結果、店の名前を「大和」とすることに決めました。
これに関しては一族が皆喜んで同意してくれました。戦艦大和が沈んだことについてのツッコミは禁止だそうです。また、日除けカーテンも日本リスペクトの精神が表れており、オーナーのお父様がデザインした初期案が活用されています。
最後に、このようなモダンなデザインや新しい発想を形にしてくれる社会を作ってくれたムハンマド皇太子殿下に感謝すると共に首都リヤドより少し遠いですが、ぜひ日本の方も我々の大和カフェに訪れてほしいとのことでした。
砂漠の街に現れた大和の名を冠する喫茶店、2019年9月より観光ビザが解禁されたサウジアラビアに行く機会があればぜひ訪れてはいかがでしょうか。現在サウジアラビアには日本人は入国できませんが、コロナが落ち着いたらぜひとオーナーとスタッフ一同お待ちしているそうです。
<お店情報>
店名: 大和カフェ
住所: サウジアラビア ハーイル市
時間: 16:00~24:00
執筆: 鷹鳥屋 明
もっと詳しく読む: サウジの砂漠にオープンした戦艦大和カフェに行ってみた! とことん和にこだわったお店(Photrip フォトリップ) https://photrip-guide.com/2020/03/24/saudi-arabian-yamato-cafe/
参照: 戦艦大和カフェ