インドと言えばカレー。インドの人たちは毎日カレーしか食べないと思われがちですが、実はインドにはカレーだけでなく多種多様な料理が存在します。今回紹介するのは、インドの中でも特別な煮込み料理、「ニハリ」です。
ニハリは、インド亜大陸のイスラム教徒の伝統的な料理です。インドの人口の約8割を占めるヒンドゥー教徒は、牛を神聖視しているため牛を口にすることはありません。そのため、インドで牛を使った料理はイスラム教徒の食文化にのみ見られます。今回訪れたお店は、オールドデリーにあるイスラム教徒の集住地域で営業している、地元の人々に人気のニハリ屋さんです。
ニハリは、牛や羊のすね肉や骨髄をドロドロになるまで一晩中煮込んで作ります。
お店によっては、独特の旨味を生み出すため、前日のニハリを取り分けて翌日のものに加える「継ぎ足し」を何年も続けているところもあるそうです。
ニハリの鍋のすぐ横では、タンドール(焼き窯)でロティが焼かれており、焼きたてのロティと共にニハリを頂くことができます。
タンドールで焼かれたロティはふわっと軽く、何枚でも食べられる美味しさです。甘みのあるロティとスパイシーなニハリがよく合います。
こちらのニハリはバッファロー(水牛)のお肉が使われています。写真の左はすね肉、右は骨髄を煮込んだものです。
ドロドロに煮込まれた液体はもったりと濃厚で、旨味がふんだんに溶け込んだ油分と骨髄のゼラチン質が口の中でとろけ、一食の満足度は非常に高いです。
インドでいつものカレーに飽きてきた人、牛肉の味が恋しくなった人は、ぜひニハリを提供しているお店を探してみてください。
もっと詳しく読む: 実はカレーだけじゃないインドのシチュー「ニハリ」を知っていますか(Photrip フォトリップ) https://photrip-guide.com/2019/04/12/indian-cuisine-nihari/