インド南部タミルナードゥ州にあるタンジャーヴール(Thanjavur)。カーヴェーリ川沿いにあるこの町は、9~13世紀にかけて南インドを治めたヒンドゥー王朝(チョーラ朝)の都だった。王朝最盛期の王が建てた寺が世界遺産に登録されたこの町には、現在も巡礼者や観光客が集う。そんな古き良き趣が漂うタンジャウールに、インド料理がすばらしくおいしい隠れた名店がある。
・小規模ながら多くの人が訪れる人気都市
マドゥライやコインバトール、チェンナイなど、タミルナードゥ州の主要都市からは百キロ以上も離れた、地方都市タンジャーヴール。それでもヒンドゥー教徒や無宗教の観光客と多くの人がこの町を訪ねるのは1000年近く前は古都として繁栄した歴史をもつ、南インド史において重要な地だからだ。
タンジャーヴールへのアクセスは長距離バスか鉄道(急行)が主流。古都の威厳をそのままに残した世界遺産「ブリハディーシュヴァラ寺院(BRIHADISWARA TEMPLE)」は、言わずとしれたタンジャーヴール一番の見どころ。そして見物後、ぜひ訪れてほしいのが10分ほど歩いたところにある食堂「Sathars」である。
・南インド料理はもちろん北インド料理も本流の味
瀟洒な筆記体で店名をつづった青色の看板を見つけたらさっそく店内へ。2階建ての「Sathars」は席数も20席ほどあるものの、地元の人いわく、昼も夜もつねに人で多くの席が埋まっているという。また小規模な都市の食堂にはめずらしく、この食堂には南インド料理だけではなく、北インド料理や中華料理など種類が幅広い。
なかでも数十種ある鶏肉料理(Rs.100~200)は人気メニューのようで、“タンドゥーリーチキン”を注文すると、長時間スパイスに漬け込んだチキンはまるで炎のような紅色。たまらず頬張ると、スパイスの複雑な辛みが香ったあと、かりっとグリルされた皮とほろほろジューシーな肉が絡みあう。チキンの旨みを爽やかに引き立てる、酸味をきかせた緑色のソースをつけるのもいい。宗教色強い町で不謹慎な本音だが、ビールが欲しくてたまらない。
・ドロッと濃厚な北インド風カレーも絶品
また多くの人が注文するのがマサラカレー。インドで食べられるカレーの味わいは北部と南部でまるで正反対で、北部ではコク深い濃厚なドロドロ系、南部ではスパイス香るスープカレーのようなさらさら系。
「Sathars」のカレーは素材のうまみをしっかり感じられる北インド風。ロティやナンなど、インドでおなじみのパン類(Rs.30~)とともに堪能しよう。
南インドの由緒あるタンジャーヴールで本格派インド料理を楽しめる「Sathars」。世界遺産に引けを取らない町のマストスポットだ。
Sathars
住所:167 Gandhiji Rd, Thanjavur 613001, India
電話:91 4362 231 041
時間:12:30~16:30、18:00~23:00
もっと詳しく読む: 古都で食べる絶品インド料理 / 真っ赤なタンドリーチキンにうなる(Photrip フォトリップ) https://photrip-guide.com/2016/12/05/thanjavur-restaurant/