インドの旅=ハード。インターネットの普及も進み、経済的成長については世界でも現在抜きに出る存在であると同時に、今も日本人にとっては想像を絶する世界が広がっているのもまた事実。これからインドを旅する人に、筆者が直面したインド旅の厳しさ5つを伝えたい。
・過酷度★☆☆☆☆ 野菜や果物を食べられない
「インドでは加熱してないものを食うべからず」。とはいえ、地域差はあれども赤道直近のインドは全体的に暑い。それに香辛料たっぷりなインド料理が続けば当然水分を欲する。だがそれでも、みずみずしい生野菜や果物は食べるべきではない。
筆者はある小綺麗なカフェで思い切って食べたところ無害だったため、しめたとばかりに、翌朝4ツ星ホテルの朝食でパパイヤを喜んで食べると、そこから数日間は地獄をみた。お腹がいたいだけならまだしも、現地のトイレットペーパーは紙きれのような材質。拭く階数を重ねるほど、肌の水分が奪われ、乾燥からヒリヒリして、これが辛い(※拭き方や肌の体質などで個人差あり)。
・過酷度★★☆☆☆ 宿泊先の虫事情
インドの宿では、中級クラスなら虫は当然いると考えておこう。仮にシーツの上に蠅の死骸がなかったとしても、翌朝、地肌にはプツプツと咬まれた跡が…なんて日常茶飯事。こんなときこそと持参の虫よけスプレーをしても、肌に赤い斑点が…なんてこともザラにある。変な虫に咬まれてはならないので、最低限の対策は当然必須だが、まあ3、4匹の虫をいちいち気にしていたらインドで旅はできない。
・過酷度★★★☆☆ 無垢な現地人とのコミュニケイト
旅を豊かにしてくれるのは人との関わりだ。しかし、四六時中で歩けばリキシャワーラーや商人にどやされれば、正直疲れる。そんなとき、日本人の自分に向けて通行人が「ハイ」と会釈してくれたら(インドではどの町でも日本人は大抵歓迎される)、結構こたえるものがある。自分の器の小ささに罪悪感をおぼえるのだ。こんな内省的になってしまうのはインドの旅だからなのだろうか。
・過酷度★★★★☆ 交通インフラの危うさ
インド内では各都市の移動となると、利用するのは長距離バス。今回筆者は云十キロ離れた町をバスで移動していると、中間あたりの平坦な道で突然前輪がパンク。
バスの本数も多くないため、結局1時間ほど経ってその道を通ったバスに自らを押し込むようにして飛び乗った。さすがに現地人は慣れているのか、パンク後運転手を「ドンマイ」と笑いとばした後、悠然とバスが来る方向を眺めつつ、談笑していた。待ち時間を「惜しい」と苛立つ筆者と、のほほんと過ごす現地人。なにかが決定的に違っていることを思い知る。
・過酷度★★★★★ 現地人は地図を読めない
インドの旅に地図などいらない――というほどには肝がすわらず、地図をインドに何枚か持参したが無駄だった。インドでは基本的に人々は地図を使用しないため、都市部のエリート層以外は、そもそも地図の読み方を知らない。したがって地図上で目的地を指しても、伝わらない。地名を口頭で伝えるさいの確認資料としては有効だが、せいぜいその程度。インドでは、現地人と直接コミュニケーションをとりながら、旅するのみなのだ。
リキシャワーラーも知らない地へ一度行こうとしたとき、ワーラー複数人が集まってきて「あっちでは?」「こう行く方が近い」などと、ただ一人の旅行者のために激論を交わす光景を前にした。
想定外が頻発するインド旅。それでも「来てよかった」と胸が熱くなるのは、こんなときだ。
もっと詳しく読む: インド旅行の過酷さを突き付けられた5つの出来事(Photrip フォトリップ) https://photrip-guide.com/2016/07/12/india-travel/