畑のわきの焼肉屋、住宅街のY字路に佇むその店は、知る人ぞ知る至極の楽園だった。
牛肉が上質なだけでは無い。
最適な温度と厚みで出される牛肉は、最適なタレにより完成形となる。
東京都八王子市小宮町にある『大幸園』。その店名の如く、焼肉を一口食べる度に大きな幸せがやってくる。
他店では出せない味が、畑のわきの焼肉屋にあるのだ。
店内に入って見渡すと、そこは街の定食屋のような内装。
アニメスタジオが近い事もあり、ジブリやガイナックスのスタッフが多く訪れるのか、トトロやネルフのシールが多数貼られていた。
この店にやってきたら、必ず食べておきたい肉と料理がある。
ヒレカルビ、牛ロース類、牛タン類、ユッケジャンスープ、生卵だ。
ミディアムレアでも、ミディアムでも、ウェルダンでも、自分が一番好きな焼き加減に肉に火を通す。
そのままタレだけで食べるのもいいが、生卵に浸してから食べる。
その瞬間、肉汁とタレと卵黄のコクが極楽をもたらす。
特にヒレカルビのカットに注目したい。
注文を受けてからカットされるヒレカルビは、弾力と厚みによって肉汁の放出量が最適化されたものであり、この店でしか体験できない魅惑のフレイバー。
もし可能ならば、希少価値のある本ヒレのジューシーさも体験しておきたい。
スパイスと材料の美味しさを重視したユッケジャンスープも体験しておきたい。
このスパイスが、この野菜が、この出汁が、こんなにも潜在的な味を秘めていたのかと驚きを隠せない。
すーっと入ってくるスパイスの辛さがしつこくなく、後味すっきりで素晴らしい。
肉に添えて食べる味ネギのジューシーな苦味もたまらない。
豚足好きによると、『大幸園』の豚足はかなりレベルが高いらしく、しっかりと美味しさが凝縮されているという。
豚足にかぶりついて出る言葉は「うまい」しかない。
残った生卵はご飯にかけて、卵かけご飯として頂く。
極楽とも言える肉の美味しさを体験した後、卵かけご飯のコクとまろやかさを味わう。
肉汁とタレの美味しさが溶け込んだ生卵、美味しくないはずがない。
これ以上の幸せがあるだろうか? 否。
大幸園
東京都八王子市小宮町863-3
17:30〜23:00 日祝17:00〜22:30
水曜日定休
JR小宮駅から徒歩5~6分
JR日野駅からタクシーで1000~1500円
※来店時は予約を強く推奨する
記事: 東京メインディッシュ https://main-dish.com/