まるでラーメンのパフェみたい! デカ盛りすぎる『富士丸』のラーメン

おもしろ

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『富士丸』(旧名マルジ)を語るには、まずは『ラーメン二郎』について説明しなくてはならないだろう。『ラーメン二郎』とは、とても独特なラーメンをウリにしているラーメン屋チェーンだ。麺はスパゲティのパスタのように太く、コシが強いのが特徴。超丸太麺のため、茹で上げるのにかなりの時間を必要とする。

麺に乗る具材は野菜、煮タマゴ、メンマ、チャーシュー。文字にそう書いただけでは、普通のラーメンの具材となんら変わらない。しかし、野菜の量が尋常ではないのだ。野菜が山盛りになっているため、ドンブリを含めたテッペンまでの高さが、30センチほどにもなるのである。

野菜と豚の背脂やニンニク、辛めエキスをトッピングで大盛りにすることも可能なので、「野菜とニンニク増し増し辛めカラカラ脂アブアブラ」と注文すれば、とんでもないボリュームになる。また、ラーメンの価格が600円なので、いまどきの人気ラーメン店にしては安い価格というのも、人気の秘密だ。しかし、脂アブアブラをやりすぎるとコッテリしすぎるので要注意である。

私はいつも新宿歌舞伎町と池袋の『ラーメン二郎』に通っていた。しかし今回は、『ラーメン二郎』から分裂してできた『富士丸』という分家ともいうべきチェーン店に行くことにした。なぜならば、ここは『ラーメン二郎』を超えたボリュームの、通称『マルジパフェ』なる超特大ボリュームのラーメンがあるのだ。

『富士丸』の本店は、JR東十条駅から徒歩25分ほどの国道122号線沿いにある。東京メトロ南北線の王子神谷駅から歩いても行けるが、25分ほど歩かなくてはならないので、交通の便はあまり良いとはいえない。どうせなら自動車で行きたいところだが、駐車場が周囲に無いので、必然的に違法駐車になってしまう。お店の迷惑にもなってしまうので、やはり歩いていくのが無難だろう。

18時から開店とのことで、18時丁度に店頭に到着したのだが、まだ開いていない。しかし、すでに15人ほどの行列ができていた。すぐに食べたい場合は、17時30分には到着していたほうが良いかもしれない……と思いつつ、時計の針を覗くと18時15分。まだ『富士丸』は開かない。しかし、別に『富士丸』が「看板にイツワリあり」というわけではなかった。

ドアに掲示されているフダをよく読んでみると、「18時過ぎから開店」と書いてあるのだ。「18時過ぎから……」ということは、18時に開かなくてもおかしくない。それから待つこと5分、店は開店し、無事に中へと入ることができた。

私は自動券売機で、豚入りラーメン、大盛り、メンマ追加、玉子追加の券を購入。豚入りラーメンとは、いわゆるチャーシューメンのことだ。そしてその券を店員に渡し、カウンター席に座る。

店員  いいんですか?
筆者  何が?
店員  麺、多いですよ。
筆者  いいですよ。
店員  本当に大盛りですよ。
筆者  はい。食べたいんです。
店員  本当に多いんですよ?
筆者  ……お願いします。
店員  ……うーん。……いいんですか?
筆者  大盛りで……。
店員  ……わ、わかりました。

よほど大盛りを食べさせたくないらしい。厳密には、「食べられるわけがない」と思っているのだ。どんな料理の大盛りでも食べてきた私にとって、食べられないはずがない。

ラーメンの完成が近づくと、店員がトッピングをどうするか聞いてくる。ここで、トッピングしてほしい具材を店員に伝えるのだ。私は最大クラスのボリュームあるラーメンを食べたかったので、躊躇せず「野菜とニンニク増し増し辛めカラカラメ脂アブアブラ」と注文。店員は焦っていたが、すでに「コイツは折れない客」という
レッテルが貼られてしまったせいか、素直に「……へい」と了解してくれた。

店員にトッピングを伝えてから20秒後、私のテーブルに届いたのは、もはやラーメンといえる料理ではなかった。しかも、麺と具材が一つのドンブリには入りきらず、2つのドンブリに分けられているではないか。麺ドンブリと具材ブンブリである。これではパフェではない!!

筆者  パフェみたくならないんでしょうか?
店員  あー、多すぎてこぼれちゃうからね。
筆者  あはは……、確かに多いですね。
店員  ……。

店員の「ホントに食えるんだろうなァ~?」という視線に耐えつつ、まずは具材ドンブリから食べていくことにした。味は、非常に美味しい。さすが、『ラーメン二郎』の分家だけのことはある。

ニンニクのピリッとした刺激がありつつ、豚の背油がマッタリとしたマイルドな美味さを醸し出している。チャーシューはとても厚くて食べごたえがあり、ちょっと濃い味が味覚神経を刺激して、食欲を増幅してくれる。

麺ドンブリにも箸をつける。『ラーメン二郎』の超丸太麺とは違って超平太麺なので、スープがよくからむ。私としては、超平太麺のほうが『ラーメン二郎』のソレより好きだし、確実に美味しい。

……断言するのはいいが、こんなボリュームのラーメン、食えるはずないだろ!! 自分で注文しておいて、心の中で逆ギレしていた。でも注文した以上は完食しなくてはならない。負けた……。泣きながら帰った。

店名:富士丸 王子神谷本店
業種:ラーメン
住所:東京都北区神谷3-29-11
営業時間: 18:00~24:00
定休日:月曜
席数:19席(カウンター7席、テーブル12席)

※記事内容は取材時の情報です

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