世の中には、独創的を飛び越えた、危険的なカレーが存在するのである。そんな危険的なカレーを提供しているのが『カフェ・ラティーノ』である。
お店は住宅街に位置し、とっても閑静な雰囲気が漂っている地域だ。19時頃に店内に入ると、私以外の客は誰もいなかった。店主なのか、男性が一人私に対応してくれた。
苺カレー 800円
あんこカレー 700円
さんまカレー 800円
人形焼きカレー 750円
アイスクリームカレー 750円
マジでヤバイなぁこりゃ……。胃腸薬を持ってきたほうが良かったかなぁ。
店主 いらっしゃいませー。
筆者 あのー、電話で苺カレーを予約していた者ですが……。
店主 あー、はいはい。
筆者 作れますか?
店主 ……えーと、はい作れますよ。
筆者 じゃあお願いします。
店主 ……は、はい。
……じ、自信なさげなトコロか気になる。
実は、数日前にこの店に電話をし、料理を予約していたのである。しかし、本当に私が注文したかったものは、苺カレーではなかった。私が本当に注文したかったカレーは、さんまカレーだ。他にあんこカレーも注文したかったのだが、まずは苺カレーで様子を見てから注文しようと考えたのだ(注文する勇気が出なかったという説も……)。まあ、苺だってさんまと同じくらいカレーに入れるのは不自然な食材だし、普通に考えて、とてもヤバイ味になっている可能性は大だ。
苺カレーは、注文をしてから完成まで20分もの時間を要した。しかし、私はそのカレーを目の前にして、感動してしまった!! なんと美しい盛り付けだろうか!! まるでヒマワリのように苺がスライスされて、ライスに盛り付けされているではないか(写真参照)。
あれ? ということは、カレールーの中には苺が入っていないのだろうか? いやいや、しっかりと入っていた。しかも、まるごと固形のまま、大きな苺が4つもゴッソリと入っていた。ここではじめて、私は20分間も調理に時間がかかったのか気がつく。苺がジャムのように柔らかくなるまで、グツグツと煮込んでいたのだ。
そしてなにより驚いたのは、苺とカレーの絶妙なマッチである!! 苺のさっぱりとした甘さが、カレーの辛さをより強くパワーアップさせているのだ。これは美味しい!! そして、煮ていないスライスされた苺がとても冷たく、口の中で辛さを軽減させてくれる。素晴らしい!! ディ・モールト(非常に)素晴らしい!!
こんな素晴らしい微妙な料理を堪能してしまったからには、『カフェ・ラティーノ』のカレーを「危険的」と表現したことを、撤回しなくてはならない。この店のカレーは、美味しい芸術的なカレーなのだ。
店名:カフェ・ラティーノ
業種:カレー&コーヒー
住所:東京都墨田区東駒形1-12-10
営業時間: 11:30~14:00/17:30~24:00
定休日:不定休
席数:約20席(テーブル約20席)
※記事内容は取材時の情報です