ラーメンを作る人が真剣なのは当然かもしれないが、食べるほうも真剣だ。食べたラーメンがイマイチだったときのショックはデカい。イマイチすぎてすぐに店を出て「よし、別の店で食べ直そう」なんてことも難しい。ラーメンは1杯が重いから。なにより、ガッツリと残して店を出る度胸がある人も少ないだろう。
・ラーメンに対する期待値は高い
とある人が「料金以下のマズイめしを食わせるレストランには代金を払わねーなんてのはしょっちゅうよ」なんて言ってた気がするが、お金は払うとしてもラーメンで失敗するとメンタルダメージはデカい。ラーメンは安い価格の料理だが、日本人はラーメンに対する期待値が価格と反比例して高く、それゆえ評価も辛口となりがちなのだ。
・すべてが丁寧すぎるほど丁寧
食べ終えてからふと思ったのだが、久しぶりに「いいもん食ってるな」と思いながらラーメンを食べた気がする。JR王子駅から地歩圏内にある「空ノ色」(東京都北区堀船1-4-9)のチャーシュー淡口豚骨ラーメン。スープ、麺、チャーシュー、そのすべてが丁寧すぎるほど丁寧。
・麺に纏わせたスープで味覚を喜ばす
ピンと張って滑らかな流線型を描く麺は食感が極めて楽しい。ツルンとした見た目はしているものの、実は麺の表面に超微細なザラつきがあって触覚に心地良さを送りつつ、麺に纏わせたスープで味覚を喜ばす。
・「かしわ飯」も忘れずに食べて
チャーシューは薄切りで、弾力と柔らかさを感じさせつつスープに新たな旨味を付加。そう、チャーシュー単体でも美味なのだが、スープとともに食べると繊細な肉汁が溢れてスープに奥深さが生まれる。
もっと空ノ色の可能性を感じたいならば「かしわ飯」もオーダーし、そのまま食べずにラーメンのスープをたっぷりと注いで食べてほしい。答えは自分の味覚で確かめてほしい。ジワッと染み入る、豚骨の次元を超越したウマさがそこにある。
・ここの職人に「これでもいいや」はない
空ノ色の職人たちからラーメンに対する真剣さを感じた。職人としての真剣さだけでなく、「よいものが食べたい」と思っている客の立場になって、客目線でも真剣なのが空ノ色。おそらく、ここの職人に「これでもいいや」はない。「これがいい」しかないのだろう。
ちなみに、今回はチャーシュー淡口豚骨ラーメンを食べたが、今後は濃口豚骨もメニューに並ぶという。本当は濃い味が大好きな筆者。淡口豚骨でさえスープを完飲してしまったのだから、濃口豚骨にも期待せずにはいられない。
もっと詳しく読む: 【感動グルメ】久しぶりに「いいもん食ってるな」と思いながらラーメン食った / ソラノイロの新店「空ノ色」(東京メインディッシュ) https://main-dish.com/2021/03/24/tokyo-oji-ramen-soranoiro/
空ノ色
住所: 東京都北区堀船1-4-9
時間: 11:30〜15:00 14:30 18:00〜21:00 (通常時の営業時間 / 要確認)
休日: 月火 (要確認)
備考: 臨時休業や営業時間短縮など常に変更になることがありますのでご確認ください
クドウ: カツサンドマニアの勝三太郎は別名義。ガジェット通信、ロケットニュース24、Pouchの初代編集長で創設者。TVチャンピオン「焼肉王選手権」「デカ盛り王選手権」に出場しどちらも準優勝。日清公認のどん兵衛士の称号を得ており、どん兵衛とラーメン二郎要素を融合させた「どん二郎」のネーミング等を考案。空条海苔助の名義で「世にも微妙なグルメレストラン」「彦龍のノリヒコさん」などを出版するB級グルメ研究家で「月曜から夜ふかし」などにも出演。イタリアをめぐりピザを食べる旅をするほどピザマニア。昭和的な「個人経営の焼肉屋」をめぐる旅をする焼肉マニア。秘境ドローンカメラマンもしている秘境グルメマニア。