ポルトガルで一番有名な食べ物「パステル・デ・ナタ」が絶品 / 一番美味しい店をタクシー運転手に聞いてみた

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「リスボンで一番おいしいパスティスが食べられるよ」と、タクシーの運転手さんが教えてくれた店がある。

・ポルトガルで一番有名な食べ物
パステル・デ・ナタ(Pastel de Nata)は、おそらくというかほぼ確実に、ポルトガルで一番有名な食べ物だ。手のひらサイズの丸いパイ生地に、カスタードクリームを乗せて焼く。香港ではエッグタルトの名で売られているし、日本でも見かけるが、本場はポルトガル。

ちなみにPastel は菓子パン(パストリー)、Nataはクリームという意味である。また、パステル・デ・ナタを複数形にするとパスティス・デ・ナタ(Pastéis de Nata)となる。

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・ジェロニモス修道院で生まれたお菓子
パステル・デ・ナタは18世紀のポルトガル、リスボン中心部から西に6kmほどいったベレンにあるジェロニモス修道院で生まれたとされている。

当時、修道服の糊付けには、洗濯のりではなく「卵の白身」が使われており、余った黄身を使ってお菓子を焼くのも珍しくなかったそうで、パステル・デ・ナタもそのなかで生まれた。この時代に急激にお菓子のレシピが増えたのもここに理由があるらしい。

1820年、ポルトガルでは自由主義革命が始まる。多くの修道院が閉鎖され、仕事を失うことを恐れた修道僧たちが砂糖の精製所横で日銭を稼ぐために売ったもの、それがパスティスだった。

修道院の外で初めて売り出されたのが、今も残る「ベレン洋菓子店」(Casa Pastéis de Belém)で、パステル・デ・ベレンと呼ばれることがあるのも、この地名にちなんでのことだ。歴史的にうまくいった副業である。

・リスボンで一番の「Manteigaria」
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さて、パステル・デ・ナタはポルトガルにいる限り、どこにいっても見かける。にも関わらず、タクシードライバーが絶対に一番おいしい、ベレンよりもおいしい、と言った”Manteigaria”には、地元の人も観光客もまざって店の外まで行列を作っていた。時間がかかるかと思ったが、回転が早く、5分と待たずに案内された。

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一つ€1で、食べ物のメニューはこれのみ。空港や観光客向けの店舗と比べると格段に安い。エスプレッソやカプチーノもオーダーでき、店内で食べられるが、狭いので立ち席のみ。

・パイ生地はパリッパリ! クリームはしっとり
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ポルトガル滞在最終日でさんざんあちこちで食べてきたのに、え、うそ、なにこれ、ってくらいおいしかった。パイ生地のパリパリ感たるや、もう。一人ひとつずつ味見のつもりが、全員おかわり。軽くていくらでも食べられそう。店内で食べる場合は焼き立てを出してくれるのも最高。

混雑しているので、隣の厨房で焼かれたものが絶えず店頭に並べられている。日本のお菓子に比べると甘目だけれど、ケーキのように大きくないから全く気にならないし、何よりエスプレッソによく合う。(ポルトガルのコーヒーはほぼエスプレッソ。ちなみにカプチーノは「ピングー(pingo)」と呼ばれる。)持ち帰りもできるけれど、やっぱりできたてを食べてほしい。

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工場生産のところも少なくない中、ここの店は未だに完全手作りで、ガラス張りの厨房の様子が食べながら見られる。本当にひとつずつ、型に詰めている。

リスボン中心地にあり、しかも朝8時から24時まで営業しているので、夕飯後に立ち寄るのでも、朝ごはん代わりにするのでも。

もっと詳しく読む: 「リスボンで一番」のパステル・デ・ナタをタクシーの運転手さんに教えてもらった(Photrip フォトリップ) https://photrip-guide.com/2017/04/07/pastel-de-nata/

[map_card]Manteigaria Fábrica de Pastéis de Nata
住所: Rua do Loreto 2, 1200-108 Lisboa, Portugal
営業時間: 8:00~24:00
URL: http://www.manteigaria.com/ (作成中)
[map addr=”Rua do Loreto 2, 1200-108 Lisboa, Portugal”][/map_card]

取材 構成: 角尾 舞


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