『車輪の下』『デミアン』などの著作で知られるドイツの小説家ヘルマンヘッセや、山岳小説家として知られる新田次郎、そして画家セガンティーニやオーストリアの詩人リルケなど、感性すぐれた著名な芸術家たちが好んだスイスの小さな村ソーリオ(Soglio)を訪ねました。
・ほぼイタリア / 国境手前にある辺境の村
いつしか時の流れが止まってしまったかのような、古の風景が残るスイス東部のグラウビュンデン州。イタリアとの国境でもあるこのエリアのほぼ最奥に、多くの芸術家たちが愛した村ソーリオがあります。
人口は200人未満、食料品店も日中の数時間だけオープンするものがぽつぽつと建つだけ。それでもこの地を訪れる人が通年たえないのは、画家セガンティーニが「天国の入口」と評する、その美しい村の風景にひみつがあるようです。
・どこまでも0(ゼロ)に近い村
30分あれば一周できるほど、小さなソーリオ。イタリアとの国境近くにあるこの村は高台にあり、交通手段はポストバスのみです。近郊の主要リゾート地サン・モリッツからは、バス4・632番で、約1時間30分ほど。停留所に降り立つと、スイスアルプスに囲われた村の風景が眼前に広がり、遠くには針峰のブレガリア山群がそびえています。
白亜の教会をはじめ、この村には100~200年前に建てられた、レート瓦の屋根の家が点在。石畳の細い路地を巡るうちに、絵本のなかの風景に迷いこんだかのような錯覚におちいります。ここからはハイキングコースも延びているので、晴天にめぐまれれば、隣のバス停まで散歩するのもおすすめです。
もっと詳しく読む: “天国の入口”と呼ばれるスイス最果の村へ / ヘルマンヘッセや新田次郎が愛した隠れ里(Photrip フォトリップ) https://photrip-guide.com/2016/11/12/swiss-soglio/