“喜劇王”としてあまりに有名な世界的スター、チャールズ・チャップリン(Charles Chaplin)。彼がこの世を去るまで25年間過ごしたスイスの邸宅が、現在はミュージアム「チャップリン・ワールド(Chaplin’s World)」となっている。注目のスポットを実際にたずねてみた。
・“素顔”のチャップリンをさがしに
前回見学した「スタジオ(The Studio)」に続いて、今回は実際にチャップリンが家族と共に生活した家「マノワール・ド・バン(Manoir de Ban)」をたずねよう。
美しい白亜の屋敷の敷地面積は、約500平方メートル。チャップリンの作品外での活動や、家族とのプライベートに関する展示が中心の「マノワール・ド・バン」では、喜劇王の“人間味”へアプローチできるかも。こちらも「スタジオ」同様に2フロア構造となっている。
・2階ではアインシュタインやチャーチルの姿も
1階と2階、どちらからでも見学してもいい。訪れた際に空いている方からまわるのが効率的。館内にある半螺旋の階段を上れば、チャップリンの映画外での活動をたどれる展示が続く。たとえば「世界市民」と自分を語った彼らしい、各国訪問時の様子を移したムービーが見られる展示や、チャップリンとスイスの関係をたどれる展示もある。
なかでも偉人との交友関係をたどれる、タッチパネル併用の展示が注目。『相対性理論』を唱えたアルベルト・アインシュタイン(Albert Einstein)や、イギリス史に残る政治家ウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)など、ジャンルを超えた交友関係から、チャップリンという人物像や人柄に思いをはせてしまう。
・筆者は思わず涙 / 1階は家族と過ごした空間
脚本だけでなく自伝も執筆し、物書きとしても功績を残したチャップリン。1階には彼が実際に使った書斎をのぞけるほか、ダイニング、そしてファミリームービーの流れるリビングルームがある。「マノワール・ド・バン」1階の最後の展示室となるリビングルームは、この「チャップリン・ワールド」において重要な位置づけにある。
チャップリンはその生涯において、結婚と離婚をいくども重ねた。ここでは最後にこの家で共に暮らした家族との休日を写しているのだが、家族の前でもおどけるチャップリンに、奥様や子どもたち、親類も、映像内で心底たのしそうに笑う。その光景は見る者の心が温めてくれる、たいへん貴重なものだった。
世界を渡り歩いた“喜劇王”チャップリンと、生涯をまっとうした一人の“チャップリン”をのぞける「チャップリン・ワールド」。ファンもあまり知らない人も、ぜひ訪れて欲しいニュースポットだ。
もっと詳しく読む: チャップリンが家族と共に生活した家(Photrip フォトリップ) https://photrip-guide.com/2016/10/23/chaplin/
時間:10:00~18:00
定休: 12/25, 1/1
予約:http://tickets.chaplinsworld.com/en-US/home
※チケットはオンラインで購入可能。プリントまたはダウンロードしてモバイルなどで提示。