【現地取材】ポーランド政府が世界遺産の登録名に抗議した理由 / アウシュビッツは正式名称ではない

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第二次世界大戦の痕跡が現在も生々しく残る、ポーランド南部の“アウシュビッツ強制収容所”。この名前、実は正式名称ではないことをご存じでしょうか?

・政府が世界遺産の登録名に抗議した理由とは
「アウシュビッツ強制収容所」と日本では一般的に呼ばれますが、正式には「Muzeum Auschwitz-Birkenau」、現地の交通機関では「Oświęcim Museum」(オシフィエンチムミュージアム)と表記されます。「オシフィエンチム」とはこの遺構がある町の名前であり、ドイツ語名が「アウシュビッツ」となります。

ポーランド人は呼称に対して、たいへんセンシティブです。ユネスコ世界遺産の登録名についても、当初(1979年)の「アウシュビッツ強制収容所」という名称に対して、ポーランド政府はユネスコに変更を要請。それは、まるで“ポーランド人が造ったかのよう”な名称だからだったとか。そして2007年、登録名は「アウシュヴィッツ・ビルケナウ ナチスドイツの強制絶滅収容所」と変更されました。

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・せめて発音の仕方は覚えておこう
交通機関の職員から一般の方も含めて、筆者が出会った現地人はみな「オシフィエンチム」と呼んでいました。もちろん国外で「アウシュビッツ」と呼ばれているのは周知されているので、現地人に「アウシュビッツ」と言えばたいてい通じます。

しかしこの遺構があるのは、言うまでもなく現在ナチス・ドイツのもとではなくポーランドの町なのだから、彼らが現地語で呼ぶのはごく自然なこと。アウシュビッツの見学を考えている方は、スペルはともかく「オシフィエンチム」という発音を覚えておくと、現地人とのコミュニケーションもスムーズですよ。

もっと詳しく読む: アウシュビッツは正式名称ではない / 見学前に知っておきたい最低限のこと(Photrip フォトリップ) https://photrip-guide.com/2016/10/02/auschwitz-name/


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