アジアの中枢といえば香港だ。経済、流行、グルメ、文化、あらゆる分野においてディープなものを秘めている大都市である。香港は日本から4時間程度で行けるので、皆さんの中にも旅行で行ったことがある人もいるのではないだろうか?
・香港には楽しむべものが数多くある
煌びやかなネオンサイン、夜に輝くビル群のライトアップ、そして贅を尽くした香港グルメ、香港には楽しむべものが数多くあるが、どんな大都市にも「陰と陽」がつきものである。
・香港の「陰」ともいうべきカオスなスポット
今回は、そんな香港の「陰」ともいうべきカオスなスポットをご紹介したいと思う。香港のカオスな観光地といえば、多くの人が「重慶大厦」(チョンキンマンション)をイメージする。雑多で危ないイメージがもたれている商業施設だ。
重慶大厦には複数の個人経営ホテルがテナントのように入っているため、世界中から観光客が泊まりにくる。狭くて不衛生、そして防犯にも心配はあるが、宿泊費が安いので人気なのだ。
・時とともに朽ちるのを待っている
多くの観光客が香港のカオスを重慶大厦に求めるものの、これからご紹介する「馬灣大街旧村」を知っている者は少ないし、訪れる人も観光客もほとんどいない。この村はすでに廃村となっており、大都市香港の中心部に近いにもかかわらず、時とともに朽ちるのを待っているのだ。
・馬灣大街旧村は島の南側に位置
香港空港があるランタオ島から都心部に向かう途中、ふたつの島を通過して本土へと渡る。そのふたつのうちひとつが馬灣島で、かつてそこに栄えた漁村が、馬灣大街旧村なのである。現在は島の北側に高級リゾートマンションが建っており、馬灣大街旧村は島の南側に位置する。まさに 大都市の陰と陽。
・人々で栄えていた時代の姿
馬灣大街旧村の建物は当時のまま残されており、金網によって建物に入れないようになっているものの、人々で栄えていた時代の姿をそのまま残している。誰もいない廃墟でありながら、当時の思いを胸に訪れる人がいるようで、寺院や地蔵だけ、なぜか蝋燭や線香が灯されていることもある。
・釣り人やディープな廃墟マニアがいる
かつて食堂だった建物、マンションだった建物、民家だった家、そして学校だった建物。いまにも廃墟から人が出てきてもおかしくないくらい現存されている。立ち入り禁止区域ではないため、釣り人やディープな廃墟マニアがいることもあるが、行くときはここが廃村であり、それなりのリスクがあることは忘れてはならない。
・廃村への行き方
馬灣大街旧村への行き方は簡単だ。香港本土から鉄道で青衣駅まで行き、馬灣行き(リゾートマンション行き)のバスに乗り、到着したら徒歩で馬灣大街旧村に行くことができる。治安的に悪くはないが、女性一人や夜に出向くのは推奨できない。
・沈黙したまま朽ちるのを待っている
馬灣大街旧村は、いつもは目にすることができない、香港の別の顔を垣間見ることができる貴重な廃村だ。馬灣大街旧村から、同じ島にある高層リゾートマンションが建っているのが見える。そこであなたは、何を思うだろうか。廃村は、沈黙したまま朽ちるのを待っている。
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