東京・新宿に木曜日しかやってないラーメン屋『鶏次』がある。ここには醤油味と塩味のラーメンがあり、どちらも大人気。サイドメニューの美桜鶏のユッケ丼(限定10食)もなかなかの人気。
濃厚鶏スープを飲むと、味に先駆けてコクを感じさせるという離れ業に衝撃を受ける。調味料による味付けは決して強くなく、あくまでコクで美味さを感じさせるラーメンなのがわかる。
しかし、なによりも具として入っている煮卵に注目したい。
えてして世の中のラーメンに煮卵が入っているのはあたりまえになっているが、スープや麺と調和が取れた煮卵が入っているケースは稀。
どんなに名店といわれるラーメン屋でも、煮卵とスープの調和がとれているところはほとんどない。
どんなに気合を入れて完成度の高い煮卵を作ったとしても、ラーメンの具として入ったとき、調和が取れていなければ台無しなのだが、だからといってまずいわけではないので、客もあまり指摘しないし、店主もあまり気にしない。
だが、『鶏次』の煮卵とスープとの調和は素晴らしかった。とろける卵黄に濃厚鶏スープが混ざり合い、コクがコクを呼ぶ、旨味としての親子丼状態。まさに、このスープにこの煮卵ありである。
もちろん美味しいが、強烈なインパクトがあるわけではない。ただし、強烈ともいえる調和度がそこにある。
わがままを言わせてもらえるならば、麺がさらに進化することを望む。スープの完成度に比べ、やや月並みな感じがした。最高のスープには最高の麺がふさわしい。
客の勝手な批評でしかないが、そうすればさらに完成度の高いラーメンに仕上がるはず。木曜日しかやっていないので、毎週の進化がとても楽しみである。
店名: 鶏次
住所: 東京都新宿区百人町1-24-7
営業: 11:30~15:00 18:00~スープ無くなり次第終了
休日: 木曜日以外
記事: 東京メインディッシュ https://main-dish.com/