ハンサムしか入れないラーメン屋!? ハンサムラーメンを食べてみた

おもしろ

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ある日、池袋に程近い川越街道沿いに、『ハンサムラーメンくろ』なるイケメン御用達のラーメン屋があるという情報をグルメ愛好家から入手した。

『志村軒』や『チャーシュー力』に匹敵する、なんとも怪しすぎる店名である。どう考えてもヤバイ雰囲気がプンプンする店名だ。しかも、ハンサム定食なる料理があるという。

この怪しいすぎる店に一刻も早く行ってみたかった私だが、実は行くのを躊躇していた。なぜかというと、「イケメン御用達」というポイントがネックだったのだ。私はイケメンでもカッコ良くもないし、まったくのアホヅラである。

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しかも、『ハンサムラーメンくろ』というからには、イケメンのガングロじゃなきゃダメなんじゃないのか? しかし行かなくてはなるまいと自分に発破をかけ、
できるだけカッコ良くして『ハンサムラーメン』へと向うことを決意。営業時間を調べるために、

まずは『ハンサムラーメンくろ』に電話をして聞いてみることにした。すると女性店員が出たのだが、外国人らしくなかなか話が通じない。

店員 はい『ハンサム』デス。
筆者 (ハ、ハンサム!?)……お忙しいところすいません。何時から何時まで営業していますか?
店員 ハイー? ヨク聞コエナイ。モウ一度言ッテヨ~!!
筆者 す、すいません。何時から何時までやっていますか?
店員 今ヤッテルヨ!!!! 今!!
筆者 ……(電話に出てるのだからそれはわかる)。
店員 今ヤッテルカラ、今キタラ?
筆者 今!? ……すいません、今は行けないんです。夜はやってますか?
店員 夜? ズット朝マデヤッテルヨ!!
筆者 ずっと……。あ、ありがとうございました。

と、とりあえず、夜の17時頃に行ってみることにした。

この店の周囲には鉄道の駅がなく、東武東上線の大山駅で下車し、20分ほど歩かなくてはならない。そのような立地から推測するに、ここは川越街道を走るドライバーや、付近の住民がメインの客層だといえるだろう。

イケメン御用達の『ハンサムラーメンくろ』の店頭までやってきた私は、看板に書かれている「ハンサム定食を食う!!」というキャッチコピーを見て、噂が本当だったことを確信。

自分で自分の背中を押しながら店内に入った。「あぁ、店内にはイケメンばかりがいるんだろうなぁ」と、場違いな自分が恥ずかしい思いをするのではないかと不安になりつつ、店内を見渡すと……、ってイケメンどこにもいないじゃん!!イケてるメンツどこー!?

お客は、お世辞にもイケメンとは言いがたい。普通の男性が数人。店員は女性店員が2人と、厨房に店主らしきオヤジ風の中年男性が1人。イケメンの「イ」の字もない店内は、あまりにも普通のラーメン屋であった。あたふたしながらもテーブル席に座ると、女性店員が私に注文をとりにきた。

店員  ナンニシマスカ?
筆者  じゃあ、ハンサム定食ください。
店員  無イヨソンナノ。
筆者  えええーっ!? 看板に書いてありましたよ。
店員  書イテテモ無インデス。
筆者  ……ハンサム定食食べたかったんですけどね。
店員  コレモハンサムヨ。オイシイ。
筆者  このラーメンもハンサム? じゃあラーメンで。あと餃子。
店員  ハーイ♪
筆者  ……。

ハンサム定食がなかったことに落胆しつつも、ハンサムだというラーメンがどんなものか期待をムリヤリ膨らませていると、5分ほどでラーメンと餃子がテーブルに届いた。ハッキリ感想を言うと、あまりにも普通すぎるラーメンである。典型的な、ラーメン屋のオーソドックスなラーメンである。ど、どこがハンサムなのだろうか……。

謎は深まるばかり。

餃子は、他店とは少々違っていた。餃子の皮がぷっくりと膨らんでおり、ボリュームたっぷり。一口食べると、肉汁が中から溢れてくる。しかもこの餃子、180円なのである。1皿400~600円するラーメン屋が多い中、これはかなりのお得感だ。しかしこの餃子も、ハンサムとはどう考えても関連付けできない。

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普通に美味しくラーメンと餃子を食べた。味もボリュームも満足した。しかし、ハンサムの意味も理由も知らないまま店を去るわけにはいかない。私は勇気を振り絞り、店員に『ハンサムラーメン』という店名の由来を聞いてみた。

筆者  すいません、どうしてハンサムラーメンなのですか?
店員  ……。
筆者  ど、どうしてハンサムなのかなーって……。
店員  ……マスター、ハンサムデショ(ハート)♪
筆者  店主がハンサムだからハンサムなんですね!!
店員  ソウ。ソノトオリヨ。
筆者  じゃあ、『ハンサムラーメンくろ』の「くろ」というのは?
店員  ……マスターの名前、黒田サンネ。
筆者  ……そ、そうなんですか。ありがとうございます。

つ、つまり『ハンサムラーメンくろ』は、ハンサムな黒田さんが作るラーメンという意味だったわけで、別にイケメン御用達ではないという結論になった。ハンサムもガングロも関係なし!! 終!!

店名:ハンサムラーメンくろ
業種:ラーメン
住所:東京都板橋区大谷口上町4-12
営業時間: 11:00~6:00
定休日:無休
席数:30席(カウンター10席、テーブル24席)
※記事内容は取材時の情報です

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